バナナフィッシュは1985～1994年に別冊少女コミックで掲載されていた作品。
少女漫画の枠を超えたハードボイルドな展開は幅広い層から注目を集めました。
そんな、バナナフィッシュが20年以上の時を超えて2018年にテレビアニメ化。
アニメが放送されるや否や男女問わず見れると話題になりました。
しかし、この隠れた超名作を見たほとんどの人が立ち直れないという事態に。
しんどい・つらい・鬱になるといわれる理由について調べてみました。
バナナフィッシュのあらすじ
1985年、ストリートキッズのボス、アッシュはニューヨークのロウアー・イースト・サイドで、胸を射たれて瀕死の男から薬物サンプルを受け取った。男は「バナナフィッシュに会え…」と言い遺して息を引き取る。ベトナム戦争で出征した際、麻薬にやられて正気を失ったままの兄グリフィンの面倒をみていた彼は、兄が時々つぶやく「バナナフィッシュ」と同じことばを聞き、興味を抱いた。殺された男を追っていたのは暗黒街のボス、ディノ・ゴルツィネ。アッシュは男と最後に接触した者としてディノに疑われる。雑誌の取材でアッシュと出会った、カメラマン助手の英二も巻き込んで事件は思わぬ展開を見せ…。
引用元：U-NEXT
バナナフィッシュはみたら立ち直れない？
バナナフィッシュは、とても面白い作品ですが人間描写がていねいなためキャラに感情移入しやすい作品です。
そのため、作品をすべて見終わってしまうと立ち直れない人という人が続出。
人によっては、病むなんて人も。
特に最終回は見た人全員のメンタルがやられるので立ち直れないのも仕方ありません。
立ち直れない原因としてキャラクターが魅力的すぎるのも理由です。
まず、荒くれものだらけのダウンタウンを仕切る若いカリスマ「アッシュ・リンクス」にはだれもが心を奪われるでしょう。
見た目も美貌もですが、IQ200の天才でありプロの殺し屋に仕込まれた腕と強靭な精神力で困難を切り抜けていきます。
かと思えば、取材で出会った日本人の英二にはかわいらしい一面を見せたりとギャップがあるキャラクター。
物語の終盤になればなるほど、アッシュに感情移入することから結末をみて立ち直れなくなるのです。
ここからは、しんどい・つらい・鬱になるといわれる理由についてみていきましょう。
アッシュのつらい過去
冷酷で誰にも負けない強さを持っているアッシュですが、実は見ている側がつらいと感じるほど悲しい過去があります。
この作中では、何度も暴力行為が描かれています。
なかでも、複数の男たちに襲われるといったケースの暴力行為が多いです。
主人公のアッシュもその被害者の一人。
幼少期に地元で襲われて以来、長い間性的な暴力を受けています。
彼は、8歳で初めて人を殺していますが原因は、成人男性に襲われたからでした。
しかし、相手も訴えても聞く耳を持ってもらえず幼かったアッシュが悪者扱いされる始末。
そのあとは、商品として売られ望まぬ行為を強いられて生きていかざる負えませんでした。
アニメ21話では、これらの出来事が大きなトラウマでありフラッシュバックしている様子が描かれています。
アニメ18話で、英二を守るためにディノから性的にズタボロにしてやると脅されても歯向かっていましたが実際は、性的な暴力にはいまだ怯えているのです。
相手を屈服させるために、暴力として意図的に襲い掛かる男たちの描写は何度か出てきます。
そのたびに、どこか諦めているところがあるアッシュをみるのはつらいです。
バナナフィッシュの超絶鬱回
バナナフィッシュは、最終回まで見たら立ち直れない人が多いと語ってきましが実はその間にもトラウマを植え付けてくる回が存在します。
原作でも、見た人をしんどいと思わせる超絶鬱回についてみていきましょう。
バナナフィッシュでショーターは…
ショーターとバナナフィッシュといえば、とんでもないトラウマ回です。
これまでの内容を簡単にまとめると
・人質を取られて命令に逆らえないショーターが月龍と協力して英二を誘拐
・英二を取り戻すため追いかけていたアッシュは、バナナフィッシュが恐ろしい薬物だと知る
・マフィアに捕まったアッシュたちはディノが待つニューヨークへと舞い戻ることに
・ディノの元に連れ戻されたアッシュは宴に参加
・英二とショーターを気にするアッシュをディノは拘束し最悪のショーを開始
研究室に捕らわれたショーターは、バナナフィッシュの実験台にされます。
拘束されているショーターは抵抗することができず、英二の目の前で注射器1本分の薬が投与されました。
投与からしばらくすると、脳に変化が現れ幻覚がみえるように。
研究者のエイブラハムは、潜在意識に刷り込みをするべき英二を目の前に連れていき殺せと洗脳。
必死に抵抗するショーターでしたが、徐々に正気を失っていきます。
同じく拘束されている英二は、目の前で変わり果てていくショーターを涙しながら見ていることしができません。
洗脳が完了したころ、両腕を鎖で吊るされたアッシュがディノの処刑室へ送り込まれました。
そこには、バナナフィッシュを作った研究者エイブラハムがいました。
いつまでも、強気な態度のアッシュにイラついた彼は変わり果てたショーターを目の前へ。
全身汗だくで憔悴しきっていましたが、生きていたことがうれしかったアッシュは「無事でよかった」と声を掛けます。
しかし、ショーターは「俺はもう普通じゃない」ということを伝えてきます。
一瞬、理由がわからないアッシュでしたが英二が現れたことで事態は一変。
洗脳されたショーターは英二を襲いました。
お前も戦えとナイフを持たされる英二ですが、もちろん何もできません。
アッシュの大切な人たち同士を目の前で殺しあいさせるという何とも悪趣味な手段。
ショーターは、バナナフィッシュの作用に苦しみながらも必死に抵抗している様子が見ていて泣けます。
英二を仕留めにかかったとき、アッシュの声が聞こえたショーターは一瞬だけ正気に。
そこで、ショーターが伝えてきたのは「もう終わらせてくれ」というものでした。
この言葉を最後に、再び暴れるショーターをみたアッシュは拘束が解かれたのと同時に銃弾を放ちました。
アッシュの手で息絶えたショーター。
その目元には涙が…。
親友を打ったアッシュはショックで手を震わせていました。
呆然としている間に、アッシュは再び拘束されショーターの遺体は運ばれることに。
そして、衝撃はさらに続きます。
アニメ10話にて、ショーターの遺体を回収にきたアッシュ。
しかし、そこで目にしたのはバナナフィッシュを投与された親友の死体は解剖され研究したあとの変わりはてた姿でした。
この様子をみたアッシュは、修羅となり研究所に火を放つことに。
原作では、髪の毛を剃られた丸坊主姿でしたがアニメでは印象的なモヒカンが残っています。
グロテスクなシーンのため、アニメでは具体的な表現を避けたようですね。
本来は、ショーターの遺体から頭蓋骨を削ったり解剖をしているということですからえぐい。
もう、この回はつらいししんどいの一言に尽きます。
アッシュの最後
見ている人を闇に落とす最終回は何といっても鬱になること間違いありません。
最終回の内容に触れるので嫌な人はこれからの内容は飛ばしてください！
アッシュは、ディノ率いるマフィア組織やアメリカ政府との激しい死闘を潜り抜け無事勝利をおさめます。
長い戦いを終えたことで、英二は日本へ帰国することに。
入院していた英二は、シンに図書館にいるはずのアッシュに手紙を託します。
アッシュは、自分のような人間は今後かかわってはいけないと思い帰国予定の英二に会っていませんでした。
シンから手紙を受け取ったアッシュは中に、飛行機のチケットが入っていたことに驚きます。
英二からの手紙には、自分たちは友達だとのメッセージが書かれていました。
手紙をみたアッシュは、急いで空港に向かいますが前から何者かに襲われてしまいます。
襲われた瞬間、英二は何かを感じ取りましたが空港にアッシュの姿はありませんでした。
自分を襲った相手にピストルで対抗したアッシュですが傷は深く血は止まりません。
すべてを察したアッシュは、図書館に戻り涙を流しながら上を見上げます。
あまりにも穏やかな顔でいるアッシュを見た図書館のスタッフは、寝ていると思い起そうとしましたが他の人に呼ばれてそのまま立ち去っていきました。
原作者の秋田先生のインタビューによると、アッシュは人をたくさん殺しているので生きるルートは考えていなかったそう。
なので、アニメでも漫画でも最終にアッシュはラオに腹部を刺されてしまう運命。
過去が壮絶なだけに、アッシュには日本に来て英二と幸せに暮らす未来をみたかった…というファンは多いはず。
やっと英二という友人を見つけて新しい場所に行くチャンスという絶好の機会を目の前で叩きおられる感覚ですよ。
この温度差こそが、バナナフィッシュを見たら立ち直れないというわけです。
アニメをみて立ち直れない人は、おそらくアッシュロスを抱えることでしょう。
そんな人向けに送る情報です。
実は、原作にはアッシュの亡き後のことが描かれています。
原作19巻に収録された「光の庭」では、アッシュの死から7年後の英二のその後がわかります。
日本に帰国したはずの英二ですが、「光の庭」ではニューヨークに永住し犬を飼っていることが判明。
一人前のカメラマンになっており、大人になったシンや伊部さんの姪っ子を中心としたストーリーになっています。
ぜひ、最終回をみたあとに読んで欲しい内容です。
個展を開いた英二の奥のブースにある写真が泣ける…。
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※本ページの情報は2023年7月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。※
まとめ
バナナフィッシュを見て立ち直れないのは、主人公のアッシュに感情移入するから。
生い立ちが壮絶でありながら、強くたくましい姿に誰もが心を打たれます。
作中では、親友のショーターの命を自ら奪わなければいけなかったり英二が自分にかかわったことで狙われたりなど鬱な展開も多いです。
極めつけは、最終回のアッシュの最後でしょう。
彼なりの幸せをつかみかけたところで、手放すことになった展開に涙がでること間違いない。
悲しいはずなのに、アッシュの穏やかな顔を見ると見終わった後に立ち直れなくなります。
